王道の自己PRの構成を押さえよう!これで通過率は上がる! 

 

王道の自己PRの構成を押さえよう!これで通過率は上がる!

 

新卒の学生が就活をする際には、志望先に向けて自己PRを行い、積極的に自分をアピールしなければなりません。また、社会人が転職活動を行う場合も、同じく前向きな自己PRは欠かせません。

 

まず、書類選考の段階で、書面の形で自己PRを行う場合が多いです。さらにそれだけでなく、面接に進んだ後でも、自分の言葉で面接官に直接語り掛け、自己PRを行い熱意を示していく必要があります。

 

いずれにしても、自分を採用してもらうためには、どの立場でもどの段階においても、自己PRは求められるのです。

 

ただ、いざ自己PRをしようとしても、学生は初めての職探しなので、どうアピールしてよいか困るでしょう。また社会人でも、転職が初めてだったり不慣れだったりする場合は、自己PRの仕方に悩むはずです。

 

さらに、新卒の学生と社会人とでは、仕事の経験の有無や志望先の要求するものが異なるため、自ずと自己PRの方法も違って来て然るべきです。それをふまえたアピールをしないと、説得力も生まれないでしょう。

 

そこで今回は、そうした点を踏まえながら、自己PRの仕方をご紹介しましょう。まずはやはり、王道ともいえる自己PRの構成をマスターすることが大切です。それをしっかり押さえるだけでも、かなり書類選考の通過率が上がるでしょう。

 

以下の説明を参考にして、自分をうまくアピールしていってくださいね。

 

 

@自己PRの基本的な構成

 

@-1.新卒就活の構成

 

まず新卒の学生が就活をする場合の自己PRです。

 

結論から先に言うと、(1)自分の強みを示す、(2)それを養った経験とそこでの努力や成果を述べる、(3)強みを志望先で生かす意欲と方法をアピールする、というのが基本的な構成です。

 

以下、それぞれについて具体的に説明します。まず(1)自分の強みを示す、という点ですが、これは自分が身に付けたスキル等の中でも、特に志望先の求めるものに合うものを選び、示す必要があります。

 

学生時代は大抵の場合、自分の好きなことをやって、自分が満足すればそれで済んだでしょう。しかし、就職するとなると、顧客の要求に対し会社として応える必要があり、その会社の要求に自分が応えなければなりません。

 

そうなると、単なる自己満足では済まず、常に相手のニーズを満たしていく必要が出て来ます。就活でもそれは同じで、単に自分の強みを何でも示せばいいのではなく、志望先の求める人材像に合う点を選んでアピールする必要があるのです。

 

次に(2)の経験と努力・成果ですが、ここは詳しく説明しなければなりません。学生の場合、社会人としての仕事の経験がないため、自ずとポテンシャルを重視した採用が行われます。

 

つまり、今は戦力でなくとも、入社後実力を身に付けて、将来的に会社の業績アップに貢献してくれればいいと思って採用する訳です。そのため、現時点での経験や知識などよりも、物事への取り組み方や熱意、将来伸びる可能性を重視します。

 

だからこそ、勉強・アルバイト・サークル活動などどの経験でもいいので、とにかくそこでどう取り組んだのかを丁寧に述べましょう。特に困難にどう立ち向かい、いかに努力や創意工夫をして乗り越え、どんな成果を上げたかを詳しく述べます。

 

そうすることで、入社後大変な仕事を任されたとき、それに対しいかに真摯に熱意をもって取り組めるのか、いかに頭を働かせて努力や工夫ができるか、結果にどれだけコミットできるかが推測できるのです。

 

最後に(3)強みを生かす意欲と方法ですが、これも忘れてはなりません。自己PRというと、とにかく強みを訴えればいいと思いがちです。特に学生の場合は、前述のように自分の満足を中心に考える人も多いでしょう。

 

しかし、社会に出るとそうはいきません。自分のやった仕事が利益を生み、会社にきちんと還元されないと意味がないのです。

 

だからこそ、自分の強みを志望先の業績向上に生かしたいという気持ちと、その生かし方まで示す必要があるのです。

 

以上のように、(1)志望先の要求をふまえた強みを示し、(2)どんな経験でいかに努力や工夫をして成果を上げる中でそれを養ったかを詳しく説明し、(3)志望先での仕事に生かして貢献する意欲を強調する、という流れで自己PRを行いましょう。

 

特に(1)と(3)を短めに示し、(2)を前述のように詳しく説明し、全体として大体400字程度でまとめるようにしましょう。そうすると、バランスのとれたわかりやすい構成になり、面接官に与える印象もよくなるはずです。

 

@-2..転職の構成

 

次に、社会人が転職をする場合の自己PRの構成です。これも基本的には新卒の就活と同じです。

 

つまり、(1)強みを示し、(2)それを得た経験とそこでの努力や工夫、成果を詳しく述べ、(3)志望先に生かす意欲と方法を述べる、というものです。

 

そもそも新卒の学生であれ社会人であれ、志望先に入って仕事をし、そこに貢献するという点では同じ立場にあります。だとすれば、志望先に向けたアピールの仕方も、根本的には変わらないのは当然でしょう。

 

ただ、新卒の学生と社会人では、前にも少し述べたように、仕事の経験があるかと言う点では異なります。そのため志望先としても、学生と社会人とで求めるものは違ってきます。よって、それをふまえてアピールの仕方を変える必要はあります。

 

まず(1)ですが、志望先の要求に合う強みを選ぶという点では新卒と同じです。ただ、社会人は仕事の経験があるため、新卒と違って仕事で得た知識やスキルなどが強みとしてアピールできます。

 

例えば、営業職を10年やっていて、業種は違ってもまた営業職に転職しようとする場合は、そこで身に付けた顧客とコミュニケーションを円滑に図るスキルは、志望先の要求にも合いますし、大きな強みとしてアピールできます。

 

この点、新卒の学生がアルバイトの接客をした程度なら、マニュアル通りの対応しかできず、強みとして訴えられるほどではないでしょう。しかし社会人が仕事で顧客開拓した経験なら、そこで得たノウハウは大きな強みとしてアピールできます。

 

次に(2)ですが、これも新卒の場合と同じく、ここを重点的に述べるという点では同じです。ただ、ここもやはり仕事の経験のある社会人ですから、仕事での経験を述べられますし、実際それに特化して述べる必要があります。

 

その際当然ですが、志望先で行いたい仕事に深く関わる経験を取り上げるべきです。仮に未経験の仕事に応募する場合でも、少しでも関わりそうな経験を選んで述べる必要があります。

 

上記の例で言えば、どんな顧客を相手にどういう営業を行って来たのかを、まず述べます。また、契約をとるためにどういう努力や工夫をしたのか、その結果営業成績をどの程度上げられたのか、について丁寧に説明しましょう。

 

さらに、その過程で、顧客とのコミュニケーションをいかに大切にし、深い信頼関係を構築でき、営業のノウハウを確立できたか、強みにつながる部分もしっかりと説明します。

 

こうすることで、即戦力性が十分伝わりますし、仕事や顧客への真摯な姿勢も自然と伝えられて、好印象を持ってもらえるでしょう。

 

最後に(3)ですが、これも志望先への貢献をしっかり述べる点では新卒と同じです。

 

しかし、前述のように新卒が長い目で見て貢献してくれればいいと思われているのに対し、社会人は基本的に即戦力性が重視されます。

 

これも、仮に未経験の仕事に応募するとしても、これまでの経験と強みが少しでもすぐに役立つことを、しっかりと訴えるべきです。このように、この(3)は新卒以上に重視して述べなければなりません。

 

上記の例で言うと、こうして身に付けた顧客のニーズを把握しつつ提案していくスキルを生かし、志望先の新規開拓や既存取引先との関係強化に努め、顧客基盤の構築に貢献したい、などのように具体的にアピールしましょう。

 

以上のように、仕事の経験があることを重視し、即戦力になることをアピールすることに気を付け、全体を250字程度で簡潔に分かりやすくまとめるようにしましょう。

 

A基本構成を元に自己PRの例文をご紹介

 

A-1.新卒就活のエントリーシートの例文

 

以上の説明をふまえて、ここからは具体的な例文でご説明しましょう。まずは新卒就活の自己PRで、前述の通り400字程度でまとめた場合を取り上げます。例えば、顧客重視の営業職を志望するケースです。

 

「私の強みは、常に相手の立場に立って物事を考え、相手の役に立とうとする姿勢があることです。この強みは、塾講師のアルバイトをしていて伸ばすことができました。最初は上手く授業ができず、生徒にも十分理解してもらえず、受け持った生徒の多くは成績が伸び悩んでいました。そこで、生徒にどこがわかりにくいか直接聞き、また自分の授業を映像に残し見直すなどして、問題点と原因の分析を行いました。また、評判の良い先生の授業を見学し、プレゼンの仕方に関する本を読むなどして、原因を踏まえた問題点の改善にも努めました。こうして生徒の立場に立った指導を心がけていくことで、生徒の理解度も向上し、成績も伸ばせました。このように、相手の立場で考えて行動し貢献する姿勢を、顧客の立場で考え、そのニーズを満たすことを重視した貴社の提案型営業にも生かしたいです。それにより顧客満足度も上がり、貴社の業績向上にも貢献できると考えております。」

 

以上が例文ですが、前述のように、まず志望先での仕事に必要な強みを示しています。

 

次に、それを得た経験を取り上げ、問題点と原因を分析し、対策を立てて実行するというように努力を重ね、成果を上げたことを詳しく述べています。

 

この過程で、生徒の役に立とうと真摯に授業改善に取り組んだことを詳しく述べることで、物事への取り組み方や熱意を自然にアピールできています。

 

さらに、これは仕事でも大事なことなので、入社後に伸びる可能性も伝えられています。

 

最後に、その強みが志望先での営業スタイルにも合っており、それを生かして志望先に貢献できることもしっかりアピールできています。

 

なお、最初の強みと最後の志望先への貢献は簡潔にまとめ、中盤の経験などの説明に重点を置いて詳細に説明しています。このようにバランスの配分をして、全体を400字程度でまとめています。

 

新卒就活の場合は、これをひとつの参考にして、自分の場合にアレンジして書いて見てください。

 

A-2.転職の職務経歴書の例文

 

次に社会人の転職の自己PRです。これは、職務経歴書の中で250字程度でまとめる場合を想定しています。

 

例えば、人材採用のコンサルタントに転職する場合の例文を考えてみましょう。

 

「私の強みは、人材採用業務に精通し、多くの関係者と協力しつつ仕事を進めていけることです。前職では人事部で新卒と中途の採用に10年従事し、採用計画策定から説明会開催、面接、入社後の研修に至るまで、幅広く取り組みました。その際、人材紹介会社などの社外関係者、社内各部署と連携を緊密に図りつつ、採用活動が円滑に進むように配慮してきました。こうして得た採用ノウハウと、多くの人とスムーズに業務を進めていく力を、貴社での採用コンサルティングの仕事に生かし、顧客企業の人材確保と貴社の業績向上に貢献していく所存です。」

 

この場合も、まず自分の経験から得たもので志望先に合う強みを示しています。次に、その仕事上の経験を取り上げ、特に注意し努力した点も含めつつ説明しています。最後にそれを生かし、即戦力として志望先に貢献する旨を述べています。

 

字数が250字程度と限られているので、本当に必要な情報を簡潔に分かりやすく示しています。それでも、やはりバランスとしては、特に経験に関する部分を他より詳しく述べています。

 

もしも自己PRをもっと詳しく述べて、より強くアピールしたい場合には、職務経歴書の中で述べるのとは別に、自己PR専門のペーパーを作り、そこで字数をもっと使って訴えるとよいでしょう。

 

まとめ

 

新卒就活の場合も社会人転職の場合も、自己PRの基本的な構成は同じです。

 

つまり、(1)自分の強みを示す、(2)それを得た経験を取り上げ、そこでの努力や工夫、成果を説明する、(3)強みを志望先で生かす意欲と方法を述べる、というものです。

 

どちらも、志望先に入って仕事をし、志望先に貢献する立場であることに変わりはないので、基本構成が共通するのは当然です。

 

ただ、新卒の学生と社会人では、仕事の経験の有無が異なり、それに応じて志望先が求めるものも違います。その点で注意すべき点があり、それを踏まえた述べ方はしなければなりません。

 

新卒の場合は、仕事の経験がない分、物事への取り組み方や熱意、将来戦力になれる可能性といったポテンシャルを見られます。よって、特に(2)の部分で、何にどう取り組んでどうなれたかを、丁寧に説明しなければなりません。

 

一方社会人の場合は、仕事の経験がある分、即戦力として貢献してくれるかが問われます。

 

よって、志望先に生かせる知識やスキルを強みとして挙げ、それに関わる仕事の経験を説明し、即戦力として貢献できる旨を訴えるべきです。

 

今回例文も挙げましたので、それも参考にし、自分に合わせてアレンジし、熱意と説得力に溢れた自己PRを完成させましょう。