自己PRと志望動機は一緒でOK?それぞれの違いやかぶる場合の対処法などをまとめました

 

自己PRと志望動機は一緒でOK?それぞれの違いやかぶる場合の対処法などをまとめました

 

就職活動や転職活動をする際には、必ずと言っていいほど書類選考があります。

 

その際、志望先に対し、履歴書や職務経歴書などの書類を送付します。その中で、自己PRや志望動機を書くことになります。

 

これらについて、説得力と熱意を感じさせるように書けるかどうかで、書類選考を通過し面接に進めるかが決まるのです。直接会って訴えるのとは違い、あくまで書面のみを通してアピールしなければなりません。

 

ところが、いざ書こうとしてみると、どうすれば説得力と熱意のある文章になるのか困るでしょう。

 

そもそも自己PRと志望動機はどう違うのか、違いがわかったとしてそれぞれどう書けばいいのか、悩むものです。

 

新卒で就職活動をする場合は、こういった書類を書くこと自体、アルバイト以外ではないでしょうし、アルバイトとはまた違った部分があります。

 

転職活動でも、初めて行うなら書き方がわからないでしょう。

 

そこで今回は、自己PRと志望動機の違いの説明から始まって、それぞれの書き方などについて、詳しくご紹介しましょう。

 

例文も挙げますので、それも参考にして、自分の場合に生かしてみてくださいね。

 

 

@自己PRと志望動機の違いについて

 

職探しの際には、自分のことを志望先にしっかりアピールする必要があります。

 

それを、自己PRと志望動機の欄で行うわけですが、そもそもその2つは何がどう違うのでしょうか。その点をはじめにはっきりさせておきましょう。

 

まず自己PRとは、文字通り自分自身を志望先に向けてアピールすることです。

 

具体的には、元々持っている長所、これまで培って来た経験、そこで得た知識やスキル及び資格など、武器になる材料を訴えることです。

 

基本的に、自分がいかに有能な人材かをアピールすることが中心です。そのため、志望動機よりは自分自身に重点を置いて、自分のアピールポイントを説明していくことになります。

 

たしかに、志望先との関係を一切無視して説明しても、面接官には違和感を持たれます。

 

そのため、最低限志望先の仕事に生かせそうな点を訴えるべきです。ただ、それさえ注意しておけば、説明の仕方としては自分中心でよいでしょう。

 

また、このように自分のことを訴えるわけですから、予め自己分析を十分しておかなければなりません。

 

例えば、自分には社交性がある、これまで営業を10年してきた、そこでプレゼン能力を磨いたなど、自分の棚卸をしておきましょう。

 

これに対し志望動機は、その志望先に応募した理由を説明するものです。

 

具体的には、自分が志望先にいかに合っているか、志望先に入れたらどのように貢献したいかを伝えることになります。

 

これは主に、自分が志望先にとっていかに必要な人材であるかを説明するものです。

 

よって、自己PRよりも志望先との関係を重視しながら、志望した理由を述べていく必要があるのです。

 

また、そのように志望先との関係が大事なわけですから、当然志望先のことをよく調べておく必要があります。

 

志望先の属する業界、置かれている状況、事業内容、求める人材像、募集要件などを詳しく調べ、把握しておきましょう。

 

以上の説明から、自己PRと志望動機がそれぞれどのようなものか、おわかりいただけたと思います。それを踏まえて、改めて両者の違いを簡潔にまとめておきましょう。

 

自己PRは主に自分の強みをアピールするもので、志望先との関係よりも自分に重点を置いて詳しく説明するものです。

 

一方、志望動機は主に志望先に応募した理由を述べるもので、自分のことより志望先との相性を中心に説明するものです。

 

つまり平たく言うと、自分中心か志望先中心か、の違いになります。そのためそれが、自己分析を特に生かすか、志望先の分析を主に反映させるか、の違いにもつながっていきます。

 

A自己PRと志望動機がかぶる場合の対処法

 

自己PRと志望動機は、上記のような違いがあります。

 

ただ、そうはいっても、いずれも志望先に対して述べるものですから、どうしてもかぶってくる場合があります。その際はどう対処すればいいのでしょうか。

 

先ほども書いたように、自己PRも完全に志望先との関係を無視するわけにはいきません。そのため、2つとも書くことを求められたケースでは、両者がかぶる場合が出て来るのです。

 

たしかに、自己PRはとにかく「自分がいかに優秀な人材か」を説明するものであり、基本的には志望先を問わないものです。優秀な人材はどこで何をやっても結果を出せますから、その意味では広く一般的にアピールできることです。

 

ただそれでも、志望先の仕事と一切無関係の強みをアピールすると、さすがにピント外れになり、面接官に違和感を持たれます。例えば、営業職を志望するのに、社交性より細かい事務処理能力を訴えると、説得力に欠けますよね。

 

そのため、一応は志望先との関係を念頭に置いて、自己PRをしなければならなくなります。

 

上記の例なら、やはり社交性もそうですし、傾聴力やプレゼン能力、周囲を巻き込む力などの強みを選んでアピールすべきなのです。

 

では、このように両者がかぶる場合があるとして、どのように対処すべきでしょうか?

 

ポイントは、第1に先程も述べたように、自分中心か志望先中心かで分けることです。また第2に、一般的に述べるか具体的に述べるかも意識しましょう。

 

第1の点は既に述べましたが、まず自己PRは自分の強みの説明に重点を置きます。一方志望動機では、志望先と自分とのマッチングを重視して説明することが大切です。

 

例えば、前述の営業の例で言えば、自己PRでは、自分に営業の力があることをとにかく訴えます。

 

社交性、コミュニケーション力、プレゼン力、営業の豊富な経験、過去の売上実績などを中心に述べ、それを生かす意欲は簡潔にまとめます。

 

一方志望動機では、営業に関する強みが志望先に生かせることを説明しましょう。

 

志望先が即戦力で新規開拓できる人を募集しているなら、営業の経験年数や新規開拓の実績などを中心に述べると、説得力が強まります。

 

第2の点ですが、自己PRでは自分の強みをより一般的な内容で述べましょう。一方志望動機では、同じ強みを説明するにも、より志望先に即して具体的に詳しく説明しましょう。

 

例えば、同じ社交性という強みをアピールするにしても、自己PRでは「自ら積極的に動いて、多くの人と会話や共通の行動をしながらかかわりを持てる」などのように、ある程度抽象的に述べます。

 

一方志望動機では、志望先が新規開拓営業を募集しているなら、「初対面の顧客でも、予め得ておいた情報やその場での会話を糸口に、本音を話しやすい雰囲気を作り出し、信頼関係を構築し、ニーズを引き出せる」などと具体的に述べます。

 

以上のように、自己PRと志望動機がかぶる場合には、自己PRでは自分中心に一般的な述べ方をし、志望動機では志望先との関係に即して具体的な説明の仕方をする、というように対処しましょう。そうするとメリハリがつきますよ。

 

B履歴書で自己PRと志望動機が同じ欄の場合はどうする?

 

志望先に書類を送付する場合、履歴書や職務経歴書を作成することになります。

 

その際、職務経歴書は形式が自由で、自分で欄やそのスペースを考えて作れる場合が多いです。そのため、自己PRと志望動機を別の欄にすることも可能です。

 

それに対し、履歴書はフォーマットが決まっているケースが多いです。その場合、自己PRと志望動機が別の欄になっていたら、各々書き分けることができます。後は上記の指導に注意して書けばいいでしょう。

 

ところが、両者が同じ欄になっている場合もあり、それを選ばざるを得ないケースもあるでしょう。

 

しかも、履歴書は他に学歴や職歴、資格など書くべきことが多いので、自己PRや志望動機の欄は自ずと小さくなり、書けることも限られます。

 

その場合、どうすれば効果的にアピールできるのでしょうか?

 

結論から言うと、第1に最もアピールしたいポイントに絞る、第2に自己PRよりは志望動機に重点を置く、といったことが大切です。

 

まず第1の点ですが、書けるスペースが限られているため、あれもこれもと盛り込むことは不可能です。また、細かいことまで書こうとすると、字も小さくなって読みづらくなり、何を言いたいのかもわかりにくくなってしまいます。

 

そこで、詳細は職務経歴書の中で欄を別に設けて書く、あるいはもう1枚自己PRや志望動機専用の用紙を作るなどして、詳しいことはそちらで述べるようにします。

 

そして、履歴書の中の欄では要約にしてポイントのみ示しましょう。

 

また第2の点について、志望先からすると、「この人は自社の社風に合うか、業績向上に貢献してくれるか」などを最も知りたいはずです。

 

つまり、応募者の自己PRもたしかに聞きたいですが、自社との相性のほうをより重視するのです。

 

そのように相手の立場で考えれば、やはり自己PRは短縮して、その分志望動機に字数を割いて説明する必要があります。

 

また、そのように説明すること自体が、何を重視すべきかをわかっている優秀な人材だとアピールすることにもなります。

 

以上のように、履歴書で自己PRと志望動機が同じ欄になっている場合は、要点を絞って簡潔にまとめること、しかも自己PRより志望動機に重点を置くことに注意して書くことが大切です。

 

C自己PRと志望動機の上手なつなげ方【例文つき】

 

これまで自己PRと志望動機について、一般的な説明をしてきました。それでは、それをふまえて、実際にどう書けばいいのか、例文を示しながら具体的に説明していきましょう。

 

ここでは、事業会社の人事部で人事業務をしてきた人が、人事コンサルティング会社のコンサルタントに転職するケースを例にして、考えてみます。なお、ある程度スペースがあり、一定量の文章が書ける場合を想定しています。

 

C-1.自己PR【例文】

 

前職では、人事部に10年在籍し、担当者として実務を一通り経験すると同時に、係長クラスでマネジメントも一定程度行いました。実務については、採用、評価、教育研修、労務管理など、幅広く経験しました。その中でも特に注力したのが教育研修業務です。研修制度を設計し、毎回の研修の運営にも携わり、アンケート結果を分析し、制度のさらなる充実に取り組みました。マネジメントについては、部下の目標設定から始まって、日々の業務指示やコミュニケーション、評価のフィードバックなどを丁寧に行うよう心がけて来ました。これらを通じて、教育を中心に幅広い人事に関する知識や経験を得ました。また、数多くの社員や社外関係者と円滑に意思疎通を図る力も磨いて来ました。さらに、基礎的なマネジメントスキルも得られたと考えております。このように、人事の現場で得た経験や知識、汎用性の高いスキルを生かして、今後は社外からコンサルタントとして、事業会社の人事部の支援に取り組んでいく所存です。

 

C-2.志望動機【例文】

 

貴社のホームページを拝見し、主に企業の人材開発支援を行っていると知りました。またコンサルタント出身に限らず、人事に関する知識や経験を持ち、スタッフやクライアントと円滑に意思疎通を図れる人材を求めているとのことでした。さらに、今後はさらなる事業拡大に向けて、未知のことにも積極的にチャレンジしていける人材を募集していると拝見しました。その点、私は前述のように、教育研修をメインに幅広い人事業務を経験し、人事部の同僚や他部署の社員、社外関係者と緊密にコミュニケーションを取り、関係構築に努めてきました。また、今回は事業会社の人事部員からコンサルティング会社のコンサルタントへと、未知の業務へのチャレンジになりますが、そうした意欲も強く持っております。そこで今回、私の経験や知識、スキルを生かして、貴社で人事コンサルタントとして、クライアントの人材開発を中心とした人事業務の支援に励み、貴社の事業拡大に貢献したいと考え、応募させて頂きました。

 

まとめ

 

自己PRは、自己分析に基づいて、自分の強みを一般的な述べ方でアピールするものです。

 

一方志望動機は、志望先の分析を行って、自分が志望先に相応しい人材であることを、具体的に説明するものです。

 

なお、自己PRについては、たしかに志望先のことを一切無視して書くわけにもいきません。そのため、志望動機と合わせて書く場合は、志望動機とややかぶることになるでしょう。

 

そういう場合こそ、上記の違いを特に強調しましょう。自己PRは志望先との関連を感じさせず、抽象的な述べ方で自分の長所をアピールしてください。

 

一方志望先は、志望先の特徴を交えながら、自分がそこに貢献できることを説明しましょう。

 

また、履歴書では、両者が同じ欄になっており、しかもスペースが限られていることが多いです。その場合は、書くべきポイントを絞り込み、志望先がより重視する志望動機の方に重点を置いて説明すべきです。

 

以上を念頭において、自己PRから志望動機へとスムーズにつなげていくと、説得力が生まれます。

 

前述の例文を参考にして、熱意も強くアピールしながら、内容の充実した自己PRと志望動機を書けるようにしてくださいね。