自己PRが書けないときどうしたらいい?ケース別のそれぞれの対処法

 

自己PRが書けないときどうしたらいい?ケース別のそれぞれの対処法

 

就職活動では、志望先に向けて自己PRを書くことがよくあります。そこでは、自分の強みとなる経験や資質、知識やスキルなどを積極的にアピールする必要があります。また、それができる格好の機会でもあります。

 

しかし、せっかくそのチャンスがあるのに、アピールできる強みがなかなかない人もいるでしょう。あるいは、あったとしてもアピールの仕方が難しい人もいるはずです。

 

例えば、新卒の学生は社会人経験がありません。また、転職者でも未経験の業種や職種に応募する際は、その志望先の属する業種や応募職種に関する経験や知識などが不足しています。

 

フリーターの場合は、責任ある立場で仕事をした経験がほとんどなかったりします。さらにニートになると、仕事自体をしていないので、なおさらアピールできる材料に困るでしょう。

 

それでも就職や転職をしようと思ったら、何とかして強みとなるものを探し出し、それをうまくまとめてアピールしなければなりません。そこで今回は、自己PRが書けないときの対処法について、ケース別にご紹介しましょう。

 

新卒就活のケース、転職のケース、フリーターから就職するケース、ニートから就職するケースについて、それぞれの置かれている状況をふまえながら、対処の仕方をご説明します。自分に当てはまる場合があれば、参考にしてみてくださいね。

 

 

@新卒就活のケース

 

新卒の学生が就職活動をする際には、学生時代の勉強やアルバイト、クラブやサークルの活動の経験を取り上げ、自己PRに生かす人が多いでしょう。

 

また、そこで得た資質や知識、スキルなども強みとして訴えるはずです。

 

たしかに、そうした強みがある人は、特に問題ありません。しかし、中にはそうした経験を特にしてこなかった人もいるかもしれません。

 

あるいは経験していても、そこで大した知識などを得られなかったということもあるでしょう。

 

その場合、自己PRを作成するのが難しくなります。それでも、他の人が自己PRを書いてくる以上は、自分だけ何も書かずに済ますわけにはいきません。

 

そのため、何とかして強みとしてアピールできそうなものを探し出す必要があります。

 

そこで、その方法の1つとして、自分の趣味に注目してみましょう。どんな人でも、好きで夢中になってしまうものがあるはずです。そこで得た知識や資質などを強みととらえてアピールするのです。

 

例えば、次のような場合を考えてみましょう。あなたは、サークルや同好会などには入っていないものの、旅行が好きで、よく一人旅に出かけていました。その際、事前に計画を立てて効率よく様々な場所を訪れていました。

 

また、現地では臆せずいろんな人と交流を深めました。その後も、特に気の合う人とは連絡を取り合い、深い人間関係を築けて、大事な人脈になっています。

 

この場合、まず物事を計画的に効率よく進める事務処理能力が身についています。また、自分一人でも積極的に行動できる力も養われています。さらに、知らない人ともコミュニケーションを取り、関係を築ける力も備わっているでしょう。

 

これらは社会に出てからも、どんな仕事をする際にも必須のスキルと言えます。例えば、人事や経理などでは事務処理能力は欠かせません。営業などでは行動力やコミュニケーション能力は極めて重要です。

 

このように、趣味を通じて何か資質や知識、スキルなどを得られなかったか、よく分析してみましょう。そこから、強みとしてアピールできるものを探し出し、志望先の業種や職種に合うようにアレンジしていけばいいのです。

 

これは一例ですが、とにかく勉強やアルバイト、クラブやサークルの活動などをしていなくても、諦めてはいけません。自分の日々の行動の中で、自分ならではと言えるものを見つけ出し、それを前向きにとらえて生かすことが大切です。

 

A転職のケース

 

社会人が転職する場合、大抵は経験のある業種や職種で応募するものです。その場合は、経験に基づく知識やスキルなどをアピールすることが可能なので、自己PRの仕方で悩むこともないでしょう。

 

しかし、まったくの未経験の業種や職種に応募する場合もあります。思い切ってキャリアチェンジしたり、やむを得ず未経験の分野にチャレンジせざるを得なかったりと、様々な事情があるでしょう。

 

その場合、これまで培ってきたものが通用しないため、それをアピールするのは難しくなります。その結果、自己PRをどう書いていいのか、わからなくなってしまうでしょう。

 

それでも、新卒の就職活動と違って、少なくとも社会人としての経験はあるわけです。そこから何か、自分の強みとして志望先にアピールできることはないか、探すことが大切です。

 

例えば、あなたが食品製造販売会社で人事部に勤めていて、今後人材紹介会社でキャリアコンサルタントとして働きたいと思い、転職を決意したとしましょう。この場合、たしかに業種も職種も未経験になります。

 

しかし、人事部の仕事で、社内の他部署の人々、社外の人事関連サービス会社の人々など、様々な関係者とコミュニケーションを取り、関係を構築してきたはずです。そのため、コミュニケーション能力は十分養われているでしょう。

 

そして、キャリアコンサルタントには、登録者との円滑な意思の疎通が不可欠です。そのため、これまで培ったコミュニケーション能力は生かせることになり、アピール材料になります。

 

また、会社の人事部に勤務していたので、会社がどのような人材を求めているのかなど、人事部のニーズが実感としてわかっています。

 

そして、キャリアコンサルタントとしては、そうしたクライアント企業の求人ニーズを考慮しながら仕事を進めていく必要があります。そのため、人事部担当者としての実体験や実感は、貴重な強みになります。

 

このように、業種や職種自体は未経験でも、少しでも関連する部分がある可能性があります。また、どんな業種や職種でも、普遍的に求められるスキルはあり、それが身についていれば強みとしてアピールできます。

 

よって、転職活動において、未経験への応募で一見不利に思われても、決してあきらめてはいけません。過去の経験から強みを探し出して、志望先に向けてアレンジしつつアピールしていきましょう。

 

Bフリーターから就職するケース

 

様々な事情からフリーターとして過ごしてきて、今回改めて正社員になるべく就職活動をする人もいるでしょう。その場合も、自己PRの書き方で悩むことが出て来るはずです。

 

フリーターの場合、正社員の指示の下で、あまり責任の重くない仕事を、反復継続して繰り返すといったケースが多いでしょう。

 

そのため、正社員と同様の経験を積むことが出来ず、重要な知識やスキルが身に付かない場合が多くなります。

 

そうなると、正社員として就職しようとしても、強みとしてアピールできるものがなくて、自己PRが難しくなります。それでも、何も仕事をしていなかったわけではないので、何かアピールできるものがあるはずです。

 

例えば、あなたが飲食店のアルバイトを長くしていて、現場のスタッフのリーダーまで務めていたとします。すると、自分の仕事を覚えて迅速的確にこなすだけでなく、スタッフのマネジメントもある程度行ってきたはずです。

 

具体的には、新人スタッフに教育をし、早く戦力になってもらおうとしてきたでしょう。また、スタッフに的確に指示を行い、お客様とのトラブルに適切に対処し、本部や正社員との連絡を密に取るなどしてきたはずです。

 

つまり、最終的な責任や大きな権限は、会社や正社員にあったとしても、現場の実際の運営は任されていたというケースはよくあります。その場合、それは強みとして十分アピールできます。

 

自分自身の仕事を的確にこなす一方で、一歩引いて職場全体を俯瞰し、現場がうまく回るようにコントロールしていくスキルは、どんな会社のどの仕事でも、必ず求められるものです。

 

よって、その基礎が備わっていることを自己PRで訴えればいいのです。

 

また、フリーターを続けて行くうちに、そうしたマネジメントにやりがいを感じ、今後は正社員としてさらにそのスキルを高めていきたいという意欲も示すとよいでしょう。

 

このように、フリーターから正社員へと転職しようとするケースでも、過去の経験から強みを見つけ出すことは可能です。諦めないでそれを探し出し、前向きにアピールしていきましょう。

 

Cニートから就職するケース

 

ニートの場合は、フリーターよりも就職が難しいでしょう。さまざまな事情からニートになることがあります。ただいずれにせよ、その間働いていないので、仕事で得られる経験や知識、スキルをアピールするのは難しくなります。

 

また、自分自身もそのことに引け目を感じて、自信が持てなくなり、「自分に強みなんてない。自己PRなんて、一体何をどうアピールすればいいのか」と弱気になり、それで一層自己PRが難しくなるものです。

 

ただ、働いてはいなくても、何かをして生きているはずです。とにかく、これまでの人生を振り返って、少しでも他人に自信を持って話せそうなものを思い出してみましょう。

 

例えば、賃金を得ていなくても、ボランティアをしたことがあったとします。

 

具体的には、勉強が得意なことを生かし、経済的に厳しい家庭の子供たちに、無償で勉強を教えるボランティアをしたことがあるとしましょう。

 

その場合、他人の困っていることに耳を傾けて理解し、相手にわかりやすく説明するスキルが磨かれているでしょう。

 

また、相手の役に立とうとする献身的な姿勢も身についているはずです。

 

こうしたスキルや資質は、賃金を得て仕事をする場合でも、極めて重要なものです。また、どんな会社でどういう仕事をする際にも、普遍的に求められるものです。それを強みとして持っているとアピールすることは可能です。

 

あるいは、仕事もボランティアもしていないものの、映画が好きで年間100本以上見ているとします。そして、SNSなどで映画の批評を個人的に書き続けていたとしましょう。

 

その場合、一つのことにのめり込める、集中できると同時に長期間続けられる、分析して表現できる、といった能力が養われているはずです。これは、例えば商品の研究開発や情報発信などの仕事に生かせます。

 

どんな人間にも、何かしら没頭できる好きなものはあるものです。そこからも自分の強みを見つけ出すことは可能なのです。

 

よって、たとえニートでもマイナス思考にならず、これまでの人生の中でしてきた経験、身に付けてきた資質などに自信を持ち、仕事に生かせるように表現して、どんどん自己PRをしていきましょう。

 

まとめ

 

新卒で就職活動をする場合、社会人経験がないので、学生時代のアルバイトや勉強などの経験から自己PRの材料を探すことが多いでしょう。

 

しかし、それらも大してない場合、アピールに困ります。

 

その場合は、例えば自分の趣味でもいいので、学生時代にしていたことに着目し、そこで得た経験や知識、スキルなどをピックアップしましょう。それを強みとしてアピールするのも方法の一つです。

 

また、社会人が転職するケースでも、まったくの未経験の業種や職種に応募する場合、一見自己PRが難しく思えます。

 

それでも、これまでの経験で得た知識やスキルで、少しでも応用可能なものなどをアピールすることはできます。

 

さらに、フリーターから就職する場合では、正社員としての経験がないため、一層自己PRが困難に思われます。それでも、アルバイトで身に付けたものの中で、正社員でも生かせるものはあるはずなので、それを強みとして訴えましょう。

 

なお、ニートから就職するケースでは、アルバイトの経験自体もないかもしれません。

 

それでも、ボランティア経験や個人的に夢中になっていることなどから、強みと言えるものを見つけ出し、前向きにアピールしてみましょう。

 

以上、自己PRがうまく書けそうにないケースを4つ挙げて来ました。

 

いずれにしても、正社員としての仕事の経験が豊富な人と違って、何かしら不利な状況に立たされているという点で共通しています。

 

しかし、ものは考えようであり、特に就職や転職の場面では、様々なことを前向きにとらえる姿勢が欠かせません。大事なことは、就職や転職に少しでもつながりそうなことを、徹底的に探し出し、志望先に向けてうまく表現することです。

 

また、そうした積極的な姿勢、ポジティブ思考自体が、高く評価されるとも言えます。

 

したがって、今回ご紹介したことを参考にして、自己PRをうまく書けるように頑張ってくださいね。